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人の死は突然おとずれます…

もし今ご健在の親御様が突然他界した時のことを想像してみてください。葬儀の手配など様々な仏事と並行して、相続や役所への届け出など、親に限らず人が亡くなった際に残された家族がやらなくてはいけない手続きは思いのほか多くあります。一定金額以上の財産をもらい受けた場合は「相続税」がかかりますし、相続税を支払うためにそれらに関わるすべての必要書類をそろえ、決められた期限の中で申告をしなければなりません。

今回は「相続」にフォーカスをして、できるだけシンプルに相続発生から相続税申告までの流れを時間軸で書いてみたいと思います。対象となる方は、全体のスケジュール感と必要項目を頭に入れておくとスムーズです。

結果的から言うと…相続税の申告書の提出期限はいつ?

申告書の提出期限は、相続があったことを知った日(一般的には被相続人の死亡の日)の翌日~10ヵ月目の日までです。そこまでに必要書類をそろえ申告書を提出し、同時に算出された相続税を現金一括で納付することが原則定められています。短い期間で多くの必要書類を用意し、申告しなくてはなりません。
※申告期限日が土・日・祝などの休日にあたる場合は、翌日が相続税の申告期限となります。

<3ヶ月以内に行う手続き>

では、手続きのスケジュールはどうなっているのでしょうか?死亡届提出後、3ヶ月以内にまず着手しなければならないのは、下記の項目です。

① 遺言書の有無を確認
② 相続人を確定させる
③ 相続財産とそれらの評価を把握する
④ 相続放棄の検討


① 遺言書の有無を確認
まず相続が発生したら遺言書を探しましょう。遺言書があるかないかでその後の手続き方法は変わります。

<遺言書がある場合>


■自筆証書遺言/秘密証書遺言が見つかった場合
「検認」が必要です。検認とは、家庭裁判所で行われる遺言書の確認手続きで、相続者に対して遺言書の存在を明示することと、偽造防止を目的に行われます。「検認」は遺言書の有効・無効を判断する手続ではありません。

■公正証書遺言が見つかった場合
手書きで作成する自筆証書遺言ではなく、公証人関与のもと作成する方法であるため、「検認」は必要ありません。平成元年以降に作成していた場合、全国の公証役場で検索が可能です。





<遺言書がない場合>


遺言書がない場合には、②③④の手続きに移ります。




② 相続人を確定させる
故人の財産を相続する人を「相続人」といい、相続人の優先順位は民法で定められています。相続する権利がある人を「法定相続人」と呼び、法定相続人を確定するためには、亡くなった方の出生~死亡までの「連続した戸籍」を取得しなければなりません。

相続人の優先順位は…
■配偶者(妻/夫)は常に相続人となります(※婚姻関係のない内縁の妻/愛人には相続権なし)
■相続順位1位:直系卑属(実子/養子/孫etc…)
■相続順位2位:直系尊属(父/母/祖父母)
■相続順位3位:傍系血族(兄/弟/姉/妹etc…)

と定められており、遺言がある場合は遺言が優先となりますが、基本的には上記の順位により、相続権と相続の割合が決定します。

③ 相続財産とそれらの評価を把握する
亡くなった時点で所有していた財産について調べ、財産目録を作成します。相続財産にはプラスになる財産とマイナスになる財産があります。プラスになる財産としては、皆さんのご想像通り、現金や、不動産、絵画や骨董品などがありますが、モノによって評価額がつかない場合もあるので注意が必要です。また、前述にあるマイナスの財産とは、借金や、亡くなった方が生前保証人となった保証債務がそれにあたります。

④ 相続放棄の検討
プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は、相続放棄の検討が必要です。相続放棄とは、亡くなった方の財産について相続の権利を放棄することです。方法や注意点についてはまた別の記事に記載していきますのでお待ちくださいね!
ここまででやっと半分ほどでしょうか…

<4ヵ月以内にやる手続き>

■所得税の準確定申告をする
故人の亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得を調べ、もし確定申告の必要な方であった場合、死亡日から4ヶ月以内に相続人が所得税の申告をしなければなりません。個人事業主、公的年金受給者、医療費が多額となった場合や、収入が2000万円以上、不動産所得を得ていたなど、様々なケースがありますので確認が必要です。

<10か月以内にやる手続き>

■金融機関での相続手続き
口座に残された預貯金を、相続人に分ける手続きを金融機関で行う必要があります。

■不動産の相続手続き
亡くなった方が不動産を所有していた場合、手続きが必要です。不動産の名義についてや、どのように相続するかを話し合う必要があります。

■相続税申告&納付
必要書類をそろえ申告書を提出。同時に相続税を現金一括で納付しなければなりません。

ここまで読んで迷った方は…

ここまで簡単にさわりだけを記載してきましたが、方法はとても複雑で、読んでいるだけで「こういう時はどうしたらいいの?」という疑問ばかり生まれてくるかもしれません。ここには記載していない様々な法律が入り混じり、家族のカタチや関係性、残された財産によって、その方法や難易度は様々です。

ただ共通することは、これだけの手続きや作業を、故人を失った悲しさを抱えて10ヶ月以内にやるのですから、容易ではないということです。ましてや、記載したことは「相続」に限ったことだけですから、これ以外の仏事や様々な手続きを含めると相当な時間と労力がかかります。

しかし皆さん、もし仮にそのような状況になった時には我々のようなプロフェッショナルがいる事をどうぞ思い出してください!それぞれのご家族の状況に寄り添いながら、専門知識を使って皆様のお力になりたいと思っています。