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ご両親や身内の「財産」を正しく把握していますか?

相続税は、遺産総額の金額が一定額より大きいとかかる税金ですが、現時点でご両親や身内の「財産」を正しく把握し、書面で出せるという方は非常に少ないと思います。中にはご自身の財産について、正確な数字を把握できていない方もいらっしゃることでしょう。

親に限らず、ご自身でも多くの財産をお持ちの場合は、相続手続きや、そもそも「財産」とは何をさしているのか?どんなものに相続税がかかるのかについて知っておいた方が賢明です。今回は、相続税の課税対象になる「資産」「財産」について紹介していきます。

相続税の課税対象となる財産

国税庁の定義する「相続税がかかる財産」には下記のように書かれています。
[令和2年4月1日現在法令等]

「相続税がかかる財産」


相続税は原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものをいいます。

(国税庁No.4105 相続税がかかる財産より抜粋)



では、文中に書かれている項目を1つづつ見ていきましょう。

①現金

故人の所有していた現金(もし亡くなる直前に現金を引き出していた場合はそれらも含む)をさしています。個人的なヘソクリ(タンス貯金も含む)や、金庫に入っている現金も該当します。

②預貯金

銀行や信用金庫、信用組合等に預けている預金/貯金が該当します。相続開始日現在の残高が相続税評価額となります。

③有価証券

手形や小切手、商品券、株券の事をさしています。特に下記のものを所有している方は要チェックです。

■上場株式
証券会社で保管している場合は、残高証明書で確認できます。端株は、株主名簿管理人である信託銀行等に株数を確認してみましょう。

■投資信託
上場株式と同様に、証券会社や銀行で口数確認が必要です。

■公社債
「公共債」と「民間債」を総称した呼び名で、個人向け国債や、地方自治体/企業が発行している債券があります。証券会社等で購入する方が多いので、保有の有無について確認してみましょう。

④宝石

宝石には名義登録がありませんが、百貨店(外商部)や宝石店での購入履歴も調べられる可能性が高いので、宝石の点数や金額を正確に把握する必要があります。

⑤土地

登記簿謄本や固定資産税の課税明細書で詳細を確認することができます。借用権や、共有名義も忘れずに確認しましょう。

⑥家屋(建物)

土地と同様に、登記簿謄本や固定資産税の証明書で詳細を確認しましょう。

⑦貸付金

会社経営者の場合には、会社に貸し付けているケースも多くあります。また、知り合いや親族にお金を貸していて、残債があればそれらも相続税の対象となります。

⑧特許権

特許権を他者に使用させる場合、将来その特許権に基づきもらえるであろうお金を現在の価値に調整した金額(将来受ける補償金の額の基準年利率による複利現価の額の合計額)が相続税評価額となります。

⑨著作権

将来印税を受け取る権利を財産評価し、相続税が加算されます。

国税庁の定める「相続税がかかる財産」には…続きがあった!

上記の項目にプラスして国税局の所得税文章には、「そのほか相続税がかかる財産(みなし相続財産ほか)」という記載があります。それらはどういった項目になるのでしょうか。

⑩生命保険

故人が被保険者の場合「死亡保険金」も相続財産に含みます。また、孫名義や子ども名義の契約であっても、保険料を亡くなった方が負担していた場合には、相続税のかかる財産に該当するため注意が必要です。

⑪死亡退職金

死亡後、3年以内に支給された退職金は相続税の対象となります。

⑫事業用資産

個人事業などに供していた不動産や機械、売掛金や商品などがこれにあたります。

⑬亡くなる前3年以内の贈与(一定の特例を受けた場合を除きます)

死亡前の3年以内に「相続等により財産を取得した者」に対する贈与財産については、相続税の対象となります。

⑭相続時精算課税による贈与

相続時精算課税という制度により財産を贈与した場合、3年超前の贈与であっても相続税の対象となります。

⑮非上場株式

故人が会社経営者の場合、「自社株」が相続税の対象となります。また、自らが経営者でなくても、友人の会社への投資や、事業立ち上げ(スタートアップ)などで付き合いがあった場合「非上場株式」を保有している場合もあるので、確認が必要です。

そのほかにも、
⑯ゴルフ会員権
⑰自動車
⑱金地金(貴金属)
⑲書画骨董
⑳家庭用財産(高額な家具家電)
㉑電話加入権

上記のような財産にも相続税がかかります。

見落としがち!こんなものも気を付けて

意外と見落としがちな資産もあります。下記についても確認が必要です。

㉒海外財産

海外にある不動産(コンドミニアム等)や海外預金、株券等も相続税の対象となります。

㉓名義財産

⑩の生命保険の説明にも少し書きましたが、亡くなった人以外の名義(配偶者や子ども、孫など)の財産であっても、亡くなった本人が資金拠出し、管理していた場合は相続税の対象となります。

㉔未収金

老人ホームの入居金返還金や、介護保険料等の還付金、配当金の未収金など、死後故人名義で受け取るお金があるときには注意しましょう。

相続税は全員にかかるわけではありません!

相続税は遺産総額の金額が一定金額より大きいとかかる税金ですので、まずは自身に相続税が関係あるのかないのか?を調べ、関係がありそうな場合は、いくらくらい相続税がかかるのかを把握する必要があります。

相続税の基礎控除も用意されていますので、(※相続税基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」)亡くなった方の財産が基礎控除以下であれば、相続税を納める必要はありません。また様々な特例を活用することにより、相続税がゼロになるケースもあります。今回は紹介していませんが、相続税の課税対象にならない、「非課税財産」もありますので、同時に確認が必要です。

まとめ

相続税の手続きは多くの法的事柄が絡み合っているため、日々の生活と並行しながら手続きを進めるのはとても大変な事です。適切な申告をしないと、税務調査に発展してしまったり、本来支払わなくても良い税金を支払うこともあります。

余計な金銭的・精神的ストレスを感じそうだな…と感じたら、是非我々のような相続専門の税理士ご相談ください!相続税のトラブルを防ぐためにも、財産の整理や精査は早い段階で行うことをオススメします。