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会社から支払われるお給料からどんな税金が差し引かれているか知っていますか?

サラリーマンの場合、会社が皆さんの代わりに給与から税金や社会保険料を徴収し、各市区町村や年金事務所に納めています。そのため、納税に対する意識が希薄になり、節税対策をするというところに気が回らない方も多いように思います。

給与明細をよくチェックする方は分かるかもしれませんが、皆さんに支払われるお給料からは、大きく分けて①税金:所得税及・住民税と②社会保険料:健康保険・厚生年金・雇用保険が引かれています。

①の税金に関して、簡単な手続きと少しの手間で毎月の税金額を少しでも安くできる方法があるならば、実践してみたいと思いませんか?サラリーマンでも十分活用できる節税方法もありますし、確定申告をすることで戻ってくる税金もあります。今回は「サラリーマンでもできる節税対策」について解説していきたいと思います。

会社の年末調整の際に申告すれば節税できる項目

生命保険料控除

生命保険をかけている方も多いと思いますが、その場合は所得から一定額を控除することが可能です。(全額控除になるわけではありません)手続きとしては、それぞれ年末調整時に、保険会社から送られてくる「証明書」を会社に提出すれば完了です。

生命保険料控除制度には、大きく分けて「一般生命保険料控除」「介護保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があり、控除額も契約時期によって新旧分けて計算します。複数の保険に加入している場合、合計控除金額が上限金額に達するまで控除可能です。

地震保険料控除

地震保険料控除の控除額は保険料の全額(最高5万円まで)となっています。

地震保険料控除証明書は、保険証券に添付されている場合と、保険会社から郵送で別途送られてくる場合とありますが、いずれにしても証明書を会社に提出し年末調整で控除可能です。

寡婦、ひとり親控除

本人の合計所得金額が500万円以下で、離婚や死別などにより寡婦またはひとり親の世帯は上記控除により節税が可能です。(最近の法改正により、未婚のひとり親も控除の対象となりました。)

会社の年末調整時に申請することができ、手続き自体は簡単です。手続きを忘れた場合は、確定申告をすることで控除を受けることが可能となります。

扶養控除

高校生以上の子供を扶養している場合、または親を扶養しており、親が65歳以上で年金生活、年金額が1名158万円以下の場合は扶養に入れることができ、控除を受けられます。

扶養控除を受けることで、所得税と住民税が安くなります。申請者がサラリーマンであれば、年末調整の際に、所定用紙を提出することで手続きが可能です。また、扶養の証拠を企業に提出することを求められる場合もありますので、注意が必要です。

一部条件を満たせば確定申告なしで節税できる項目

ふるさと納税(寄付金控除)

今や最もメジャーになった節税対策といえば「ふるさと納税」です。ふるさと納税とは、「納税」と名前がついているものの、要するに自治体への「寄付」と取り扱いは同じですので、自治体への寄付をすることで「寄付金控除」が受けられる制度になります。ふるさと納税を利用することで、寄付先の自治体から特産品を返礼品としてもらえることで広く周知されるようになりました。

ふるさと納税は、「自己負担額の2,000円を除いた全額」もしくは「(総所得金額等×40%)-2,000円」のうち低い方の金額が控除額となります。ただし自己負担額には限度額がありますので要注意です。その年分の所得税の減額と、寄附した翌年から支払う住民税が減額効果がありますので非常に節税効果の高い対策となります。

手続きはとしては、サラリーマンのような「給与所得者」かつ、寄付先が年間5自治体以下の方に限り、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が適用され、確定申告は不要です。(※ただし、寄付を行った自治体に所定の申請書を提出しなければなりません。)「ワンストップ特例制度」は、確定申告を行わないサラリーマンの方を対象とした制度で、所得税分の還付はありませんので注意が必要です。ただ、控除額は変わりませんので、所得税分も含めた控除額全額が、翌年度の住民税から控除されます。また、6自治体以上に寄付をした場合には、給与所得者でも確定申告が必要です。他の控除(医療費控除や住宅ローン控除)などを同時申請する場合には、ワンストップ特例の申請自体が無効となるので、確定申告をするときは、他の申請と共に忘れずにふるさと納税分も含めるようにしましょう。

住宅ローン控除

住宅ローン控除(住宅借入金等等特別控除)は、住宅ローンを組んでマイホームを新築・購入した人が受けられる減税措置です。一戸建て、マンション(条件は異なるが新築でも中古でも)どちらでも対象となり、土地、建物両方に適応されます。サラリーマンの方が減税を受けるには、最初の年のみ確定申告が必要ですが、次年以降は勤務先に必要書類を提出すれば、年末調整で申請可能となります。

控除額は最高40万円、控除期間は最長で13年となります。(新型コロナウイルスの影響で入居が延びた人については、臨時特例があります)

自分自身で確定申告を行なう事で節税できる項目

医療費控除

自分や家族の医療費を年間10万円以上支払った人(年収200万円未満の場合は所得の5%)の場合、一定額が控除されます。(費用の全額が控除されるわけではなく、医療費-10万円もしくは、正味の医療費-総所得金額等×5%のどちらか多い方の額が控除対象となります)

サラリーマンの場合、この項目に関しては会社で年末調整が行われませんので、控除を受けたい場合には自分自身で確定申告を行なう必要があります。人間ドッグや健康診断、ビタミン剤など病気予防や健康増進を目的とした医療品は対象にはなりませんが、控除が認められる範囲は広く、歯医者の治療費、介護老人施設費用、妊婦の定期健診や通院費等も対象となります。また、ケガや病気のための通院費(病院に行くまでの交通費も含む)も対象となります。

セルフメディケーション税制

「セルフメディケーション税制」とは、病気予防や健康維持増進を行っている人が対象となる医薬品(対象となる医薬品は限られています)を購入した場合、購入費の12,000円を超える部分の金額(88,000円を限度)を控除対象にする制度です。対象医薬品を購入したい場合は、パッケージに「セルフメディケーション税控除対象」の表示が有るか無いか、必ず確認しましょう。

確定申告をすることで申請が可能ですので、1年分の購入済み対象医薬品レシート・領収書を用意して、申告しましょう。セルフメディケーション税制を利用した場合、従来の「医療費控除」が利用できなくなる点には、十分注意が必要です。要件を確認してよりお得になる方を選択するのがおススメです。

寄付金控除

ふるさと納税とは違い、NPO法人や日本赤十字など控除対象団体に寄付をした方は、団体からの領収書を元に確定申告をする必要があります。

NPO法人や日本赤十字など控除対象団体への寄付のうち、認定NPO法人、公益社団法人、政治活動への寄付については、寄付金特別控除を選択することができ「税額控除」で税額から直接控除できるので、所得控除より節税効果が大きくなります。所得控除か税額控除はどちらか一方しか選ぶことはできませんので、どちらが良いのか判断できない場合には、税理士など専門家に相談するとよいでしょう。

また、所得税では対象外のNPO法人であっても、住民税で条例指定されていれば税額控除の対象となります。これは住民税独自の制度となりますので、所得税の確定申告とは別に住民税の申告が必要です。

雑損控除・災害減免法による税金の軽減・免除

災害や盗難などによって受けられるのが上記の2種類の控除です。いずれも会社で年末調整が行われませんので、自分自身で確定申告を行なう必要があります。(確定申告時には、領収書の添付が必要です)

控除対象は、住宅・家財・衣服等生活に必要な財産のみで、住宅取り壊し費用や災害に関連してやむなく支出した費用は「災害関連支出」として控除対象となります。雑損控除を受けるには、「被害に遭ったのが通常の生活に必要な財産」であり、損害原因が「震災や火災、盗難、横領」である必要があります。自宅ではない別荘での被害や、骨董品や貴金属など生活必需品でない物の被害は、雑損控除には該当しません。ただ、保険で賄われる分以上の損害が発生している場合利用することができます。

特定支出控除

あまり聞きなれない制度かもしれませんが、サラリーマンが自腹で支払った必要経費を、給与所得から差し引くことができる「特定支出控除」という特例があります。給与所得者の仕事に必要だと認められた経費が、給与所得者の給与所得控除額の50%を超える場合、超過分が給与所得から控除される仕組みです。(「給与所得控除額の50%を超える場合」というのは、多額の支出なので例が多くありません。)

特定支出控除は、通勤費、引っ越しや実家への帰宅費用、会社の認めたセミナーへの参加費、仕事の書籍購入や、交際費などについて適用することができます。(交際費・書籍・衣服については、上限額が設けられています)

申請は個人で確定申告をしなければなりません。また、これらの特定支出は、支出と業務との関連性を会社(または給与支払い者)に認められているものに限定されます。領収書を元に詳細記載が必須となりますので、注意しましょう。

その他の節税方法

iDeco・NISAをはじめる

最近注目されてきたiDeco(イデコ)やNISA(ニーサ)も節税対策として有効です。

iDecoを使って積立をすると、毎月の掛金が所得控除の対象となるので、その年の所得税と翌年の住民税が安くなります。節税分は、所得税については年末調整に上乗せされ還付されます。住民税は戻ってくるわけではなく翌年から毎月給与天引きされる住民税が安くなります。さらに運用で増えた分に税金はかかりませんし、受け取る時は退職金や公的年金の税制が適用されるので、税金負担が軽減される場合があります。サラリーマンでiDeCoに加入したいとお考えの方は、別途会社で書類の提出を求められることがあるので事前に確認が必要です。

NISAは、年間120万円5年間で最大600万円まで、つみたてNISAの場合の年間上限40万円20年間で最大800万円まで、投資額について非課税になる制度です。通常、金融商品を運用して利益が出れば税金がかかりますが、NISAを使えば利益が5年間非課税(つみたてNISAの場合最高20年)運用については確定申告も不要です。

ただ両方にデメリットもありますので、始める際にはよく検討して始めてください。

税金の支払い方を変える

節税とは少し違いますが、サラリーマンでも副業等の関係で、確定申告後納税の必要がある場合には確定申告後の税金支払い方法をクレジットカードにし、ポイントを得ることで少しですが得する可能性があります。手数料が0.83%かかりますので、得られるポイントとどちらが得か検討が必要です。2017年(平成29年)からは所得税などの国税においてもクレジットカード支払いが可能になっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

サラリーマンでも、少しの手間と時間をかければ普段差し引かれている税金の額を最小に抑えることが出来ます。上記記載の項目で、対象となるのだけれど今まで申告していなかったという方は是非これを機に対策を始めてみてはいかがでしょうか。確定申告も家のPCやスマホで簡単にできる時代になっていますので、方法についてもチェックしてみてくださいね。