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個人から贈与された財産には「贈与税」がかかることがほとんど

「いつか自分がこの世を去るとき、子供や配偶者に何を残せるか」という課題について、以前書いたブログ「子どもに喜ばれる財産の残し方~相続税対策方法~」の中で触れてきました。

ご自身がこの世を去る時の対策として、「家族の相続税負担を軽くしておく」ということは非常に重要なポイントとなります。上記ブログの中では、「財産を減らして(圧縮して)納税額を下げる方法」について書いておりますが、相続税の対策で最も有名な対策は生前贈与です。生前にご自身の財産をお子さんや、お孫さんに残すことで財産を減らし(圧縮し)相続時にかかる納税額を下げるという方法は広く一般に知られるようになってきました。

しかし、個人から贈与された財産には「贈与税」がかかることがほとんどで、一定以上の贈与には税金がかかるような仕組みとなっています。贈与された側は額に応じて申告納税をしなければなりません。そのため、どのようなものに贈与税が「かかる」のか、「かからない」のかを把握することはとても大切です。また、さまざまな控除や特例を利用することで、節税できる可能性があるので理解しておきましょう。控除についてはブログにすでにまとめておりますので、今回は「贈与税のかからない財産とは」に焦点をあててお話していきます。

税法に定められた非課税財産:国税局のHPには何と書いてある?

こちらのページには国税局の示す「No.4405 贈与税がかからない場合」令和3年4月1日現在法令等から抜粋をしながら見ていきたいと思います。

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税がかからないことになっています。

法人からの贈与により取得した財産

贈与税は個人から財産を贈与により取得した場合にかかる税金であり、法人から財産を贈与により取得した場合には贈与税ではなく所得税がかかります。(国税局「No.4405 贈与税がかからない場合」より引用)

例えば、会社からの賞与や役員への贈与などがあった場合は、実際の給料と同様に給与所得となり、所得税や住民税が課されることとなります。

生活費や教育費に充てるために取得した財産

ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、治療費、養育費その他子育てに関する費用などを含みます。また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。(国税局「No.4405 贈与税がかからない場合」より引用)

よって、親御さんからの仕送りも、株式や不動産などの購入資金として充当していたりする場合は、その使い道によって贈与税の対象となりますので注意が必要です。

公益事業用の財産

宗教、慈善、学術その他の公益を目的とする事業を行う人が、贈与を受けた場合は非課税となります。

奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品

心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金受給権

地方自治体の条例により、障害者又は障害者の扶養義務者が、心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金については、贈与税は非課税となります。

公職選挙の候補者が選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益

特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権

国内に居住する特定障害者(特別障害者又は特別障害者以外で精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるなどその他の精神に障害がある者として一定の要件に当てはまる人)が特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を取得した場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社などの営業所を経由して特定障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額に相当する部分については贈与税がかかりません。(国税局「No.4405 贈与税がかからない場合」より引用)

実務上認められた非課税財産:国税局のHPには何と書いてある?

香典/花輪代/年末年始の贈答/祝物又は見舞いなど社会通念上相当と認められるもの

個人間で贈る上記のような金品については、社会的一般的に著しく高額でないものは贈与税はかかりません。

住宅取得等資金のうち贈与税の課税価格に算入されなかったもの

別ブログでも詳しく取り上げておりますが、住宅取得等資金の贈与税の特例というものがあります。

20歳以上の子や孫が居住する住宅の購入/リフォームを行う際、住宅資金の援助が一定額まで非課税になります。住宅取得資金贈与は暦年贈与の基礎控除110万円か(非課税枠を超えた部分に限り)相続時精算課税制度の特別控除2,500万円との併用も可能です。

教育資金のうち贈与税の課税価格に算入されなかったもの

教育資金の一括贈与の非課税制度(2013年4月1日から2023年3月31日まで)を用いることで、父母や祖父母が30歳未満の子や孫の教育資金に充当するための金銭を1,500万円まで非課税とすることができます。

金融機関と契約して、預金の預入や有価証券の購入によって贈与する必要がありますが、教育資金の対象は幅広く、幼稚園や保育所~大学/大学院(院)などの学校だけでなく、学習塾や各種習い事にも適用され(学校以外は500万円が限度)、授業料や会費、必要な物品購入費用や通学定期券代なども含まれます。

結婚・子育て資金のうち贈与税の課税価格に算入されなかったもの

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度(2015年4月1日から2023年3月31日まで)を用いることで、父母や祖父母が20歳以上50歳未満の子や孫の結婚や子育てに関する資金に充当するための金銭を、1,000万円まで非課税とすることができます。

こちらも金融機関と契約して、預金の預入や有価証券の購入にる贈与が必要ですが、挙式や結構披露宴などの費用、新居家賃/敷金など結婚資金(300万円が限度)や、不妊治療/分娩費用、子の医療費、幼稚園/保育所等の保険料(ベビーシッター代も可能)などの幅広い範囲が認められます。

※相続があった同年中に被相続人から贈与により取得した財産は、相続税ではなく贈与税の対象となりますので注意が必要です。 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は贈与税がかからない財産について触れてきましたが、是非別ブログ「子どもに喜ばれる財産の残し方~相続税対策方法~」と併せてご覧いただくとより深くご理解いただけるかと思います。贈与税は、多くの控除や特例を適応させながらその方法/対策を練る必要があります。詳細を提出しなければ認められないものも多くありますので、対策にお困りの方は税理士など専門家への相談をお勧めします。

特に相続に関してのお悩みは幅広いので、贈与だけではなくご自身の老後や今後この世を去った後にご家族の負担を減らしたいとお考えの方は、是非併せてご相談ください。