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相続対策はされていますか?

皆さんは、ご自身がいなくなった後のことを具体的に考えていらっしゃるでしょうか。今ある財産のこと、相続のこと、いざ自分のこととなると、やり方が分からず手を付けていない方も多いでしょうし、逆に情報が多すぎて何をすればよいのか迷っていらっしゃる方も多いと思います。

生前に本人が相続対策をすることは、残されたご家族の手間や労力だけでなく、リスクを軽減させることにもつながります。今回は、ご自身で今のうちにやっておいた方が良い相続対策を5つに絞ってコラムにしていきます。何から始めたらよいのか分からないという方は、是非この5つからスタートしてみてください。

①遺言書作成

まずは遺言書の作成を検討しましょう。特に財産の残し方や配分など希望がある場合は遺言書作成をお勧めします。

遺言書には3つの種類があります。

■自筆証書遺言:遺言者が、その全文、日付、氏名を自筆で記載し捺印した遺言
■公正証書遺言:証人2人以上の立会いの上、遺言者が説明した内容を公証人がまとめる遺言
■秘密証書遺言:遺言者または第三者が記載した遺言書を、封を閉じ捺印し公証人および証人2人以上に提出し、公証人等に遺言書であることを確認してもらう遺言


残す遺言のタイプによって細かなルールや保存方法が決まっているため、方法を間違えると遺言書として認められません。まずはどのタイプの遺言書を残すかを検討してみましょう。
(※お勧めは公正証書遺言です)

遺言書がない場合は、相続人全員による分割協議が必要となり、そこで意見が一致しないと資産分割ができなくなります。場合によっては家庭裁判所の調停や審判が必要となり、作業負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。

特に分割が難しい不動産を多く財産に含んでいる場合は、遺言書を用いてご自身の希望を書いておいた方がトラブルを回避できる可能性が高くなります。


②相続財産の整理

自分の身の回り・財産周りの整理を始めてみましょう。先に挙げた遺言書の作成もこの作業の一貫になるのですが、相続財産の整理(生前整理)をすることはとても重要です。

断捨離

まずはご自身の身の回りにあるものを「いる物」「いらない物」に分け、いらない物は不用品回収や遺品整理業者に依頼し処分してきましょう。また、売れそうな物は売却し金銭に変えるというのも一つの手です。
PCやスマートフォンなどのデータ機器の中身を家族に見つけてもらいたい場合には、それらのパスワードをどこかに記しておくことも忘れずに。残された遺族が、これらの整理を一から作業するとなると処分費用のみならず、莫大な時間がかかってしまうことは言うまでもありません。

財産の整理

預貯金通帳や、不動産の権利証、生命保険など、財産に関する資料をまとめて保管しておきましょう。一覧となるような財産目録を作成し、遺族へ知らせておくだけで、いざ遺族が確認したいとき、財産の整理がずっと楽になります。

死後、不明な財産が発見されるとトラブルになるケースもありますので、対策が必要です。もし、財産について身近な家族や親族に話しづらいことがあれば、税理士や司法書士など第三者に依頼して財産目録を作成してもらうのもよいでしょう。

③相続人の確定

相続財産の整理が終わったら、次は相続人の確定です。
実は、家族の誰でも相続できるわけではなく、相続の順番が法律で決められています。

配偶者 → 原則として常に相続人となる ※内縁関係は除く

配偶者以外だと、下記のように順位が決められています。
■第一順位(子供)→配偶者とともに相続人
■第二順位(直系尊属)→子がいないときのみ相続人
■第三順位(兄弟姉妹)→子もしくは直系尊属がいないときのみ相続人


正式な法定相続人を確認するには、出生から亡くなるまでの戸籍調査が必要となります。「戸籍謄本」があることによって記載される全員の身分を証明することができるため、用意しておくとよいでしょう。もし何も用意が無い状況で、ご自身の死後手続きが始まると、相続人全員の戸籍謄本が必要となるため、収集にかなり手間がかかります。
こちらも司法書士などの専門家に依頼するのがよいでしょう。

④相続税の試算・対策

相続税は全員にかかるわけではありません。資産総額の金額が一定金額より大きいとかかる税金ですので、まずは…自分自身に相続税が関係あるのか?を調べる必要があります。
関係がありそうな場合は、いくらくらい相続税がかかるのかを把握し、額に応じて対策をしましょう。

相続税がかかるのは総額いくら以上?

前述のとおり、相続税は亡くなった人の財産がある一定金額以上ないとかからない仕組みになっています。ではいくら以上から相続税はかかるのでしょうか?

具体的には財産が…
「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」
以上ないと相続税はかかりません。 ※これを相続税の「基礎控除」といいます。

例)1億円の財産を残して亡くなったAさんの法定相続人が、
①妻のBさん②長男のCさん③長女のDさんの3人の場合

■基礎控除額「3000万円 + 600万円 × 3人 = 4800万円」
Aさんの財産は1億円なので、基礎控除額の「4800万円」より多いため相続税がかかることになります。ただし、1億円全てに相続税がかかるわけではなく

■「1億円 - 4800万円 = 5200万円」
財産の額から基礎控除額を差し引いた残りの額「5200万円」に対して相続税がかかります。

<POINT>
相続税を支払うのは、相続財産を受け取った個々人ですが、相続税がかかるかどうかの判定は「亡くなった人の財産の総額」で判定されます。例えば、Aさんの相続財産1億円のうち妻のBさんが9,000万円、Cさんが500万円Dさんが500万円受け取ったとします。CさんとDさんは500万円しか受け取っていませんが、Aさんの相続財産の総額が1億円あるため、相続税は財産を受け取ったいずれの方にもかかることとなります。

⑤納税資金確保

前述のとおり、相続した財産にも相続税がかかり、原則として現金での一括納付が必要となります。相続が発生してから10か月以内に払う必要があるため、納税の資金を用意しておくことが大切です。相続税は残されたご家族にとって、大きなリスクになる可能性があります。亡くなった後家族のために、納税資金をどう準備しておいてあげるか、できる限り財産を圧縮し納税額を減らしておいてあげられるか。ということも考えておかなくてはなりません。

財産の売却

相続税を相続した財産でまかなえる場合は問題ないですが、土地や不動産などの換金性の低い物の場合には、売却も視野に入れ納税資金を確保するようにしましょう。
土地などの売却は一般的に時間がかかることが多いので、余裕をもって取り組む必要があります。
なお売却した際には、税金がかかる場合があります。

生前贈与の活用

相続税の対策で最も有名な対策は生前贈与です。その中の「贈与税」は、年間110万円の基礎控除があり、範囲内での贈与には税金がかかりません。(※年間110万円を超えたら課税)贈与できる財産に制限はなく、現金や預貯金など金融資産の贈与は簡単に手続きできます。このような対策で相続税を節税することができますし、その資金を納税資金として活用もできます。
(※現行の税制においては可能ですが、今後改正の可能性あり)

金融機関からの借り入れ

相続税を期限内に納められない場合は、延納となり利子税がかかります。そうなるよりも、借り入れの方が金利が低い場合には、有利となるので融資をうける方法もあります。

会社オーナーの場合には、他にも金庫株の活用や、退職金の活用がありますので検討してみてください。

まとめ

今回は、今からできる相続対策を5つに絞ってご紹介しました。中には、遺言書を書いただけでスムーズに全てがその通り!と考えていた方もいらっしゃるかもしれません。相続対策は早めに実行することによって、残されたご家族や大切な方々により適切な形で財産を残すことができます。

終活を考えている人のみならず、まだまだ先のことだな…とお考えの方も、是非この機会にご自身の財産を見直してみてください。今回ご紹介できなかった様々な方法がありますので、少しでも不安がある方は、相続税専門の税理士への相談をお勧めします。